必読 | コンサルタントの心得

コンサルタント

今回は社内アセットや書籍等、いろいろな読み物を「コンサルタントの心得」としてまとめてみました。自分も思い返すと出来ていない部分が多いので、自戒の意味も込めて記事にしてみます。

コンサルタントとして働いている人、これからコンサルタントになる人はもちろん、コンサルタント人も、コンサルタントとはどういう仕事か知っていただけたらと思います。

長文ですが、構成としては「コンサルタントとは」「コンサルタントの基本心得」「基本心得実践のヒント」という3本建てにしています。

  1. コンサルタントとは(Why to do)
    1. コンサルタントとは経営トップに付加価値をつける存在である
    2. コンサルタントは自分自身が商品である
    3. コンサルタントにとっては恒常的に自分を磨き続けることが存立の基盤である
    4. コンサルタントはアウトプット至上の仕事である
    5. コンサルタントは大変だが精神的満足の大きい仕事である
  2. 基本心得(What to do)
    1. ファクトにこだわる
    2. 論理(ロジック)で納得させる
    3. 仮説を持つ
    4. スピードが命
    5. 技を磨く
    6. アウトプットへの執着心を持つ
    7. 大きな視点と問題意識を持つ
  3. 基本心得実践のヒント(How to do)
    1. ファクトにこだわる
      1. 足でかせぐ
      2. 数字で証明する
      3. 事実と意見(推測)の違いを認識する
      4. 本質に迫る
    2. 論理(ロジック)で納得させる
      1. まずは、メッセージ設計から
      2. 論理展開(ロジック)の組立てのヒント
        1. 構造化/階層化に気を配る
        2. Whyの部分に重点を置く
        3. ロジックにモレ/抜け/飛びを作らない
        4. クライアント・サイドから考える
    3. 仮説を持つ
      1. 仮説と検証方法を書くクセをつける
      2. 仮説の誤りを修正することに逡巡しない
      3. 仮説の部分と検証済みの結論を混同しない
      4. ベストプラクティスを参考にする
      5. 他業界からヒントを得ようとしてみる
      6. 経験者に聞いてみる
    4. スピードが命
      1. ”Quick & Dirty”
      2. スピードは時にクオリティにつながる
      3. とにかく書く
    5. 技を磨く
      1. 基本技の覚え方
      2. 必殺技の磨き方
      3. 独自の「商品コンセプト」を確立する
      4. 学習する
      5. 新しいことを真っ先に吸収する
    6. アウトプットへの執着心を持つ
      1. 良いアウトプットを見る/盗む
      2. 「考え方を考える」
      3. 内容の昇華を目指す
      4. 客観的な推敲を心がける
      5. 次回に向け、今回の反省を行う
    7. 大きな視点と問題意識を持つ
      1. 常に市場特性、事業特性、競合優位性を念頭に置く
      2. 企業変革のトータルな流れを念頭に置く
      3. 問題意識の持ち方
      4. 見識を持つ
  4. 最後に

コンサルタントとは(Why to do)

コンサルタントとは経営トップに付加価値をつける存在である

コンサルタントは…
• クライアントの潜在的な課題を明らかにする
– 十分明確化しきれていない課題
– 現状では顕在化していないが将来問題になる(可能性のある)課題
• クライアントの潜在ソリューションを形にする
– 漠然とした「想い」「認識」「打ち手」を整理/補強する
– 論理/数字を持って社内にコンセンサスを醸成する
• クライアントが持てない発想を見せる
• 大局観と現場感を持つ
–  経営者のマインドで現場の事実を解析する
–  インパクトのある経営施策を現場の実態に合わせた実行手段へ落し込む

コンサルタントは自分自身が商品である

コンサルタントであるからには…
• クライアントに付加価値をつける技を磨く
• クライアントに安心感を持たせる
–  「この人なら変なことはしない」とクライアントに思わせる
–  「課題解決」「変革」に対する経験の累積量を見せる
• 人格者たることも重要な要素

コンサルタントにとっては恒常的に自分を磨き続けることが存立の基盤である

コンサルタントという立場は…
• 通常クライアントのほうがそのビジネス/業務において経験と知識を持っている
– 納得させるための材料/技/見せ方等の努力と研鑽が必須
• 常に不安にさいなまれる
– クライアントにとって更に上を行く提案を訴求し続けなければならない

コンサルタントはアウトプット至上の仕事である

コンサルタントである以上…
• 全てはアウトプット、アウトプット無しに存在意義はない
– プロジェクトに役割分担はあるが、仕事の性質は一様。つまり良いアウトプットを出した者が最大の貢献者

コンサルタントは大変だが精神的満足の大きい仕事である

コンサルタントだからこそ…
• 創意工夫と自由意思に基づき、自身を「オンリーワン」の存在になし得る
• 市場で自身の発想の価値を試すことが可能
• 経営者、実務者、学者、思想家…様々な存在価値を示し得る

基本心得(What to do)

ファクトにこだわる

  • クライアントが知らない事実、一味違うものの見方を見せる
  • 数字で証明する
  • 双方向から捉える
  • 何がわかって、何がわかっていないかを常にクリアーにする
    本質を追及する

論理(ロジック)で納得させる

  • 提案所、報告書ジョブ運営等全てにロジックを意識する
  • ロジックによってクライアントの共感を得る
  • 経験不足、年齢差等をロジックで補う
  • ロジックは、クライアントの立場で展開し、一人よがりは厳禁

仮説を持つ

  • 常にその時点での答え(仮説)を持つ
  • 検証しなら仮説を進化させる

スピードが命

  • “Quick & Dirty”(漫然と構えていても時間が過ぎるだけ)
  •  スピードは時にクオリティーにつながる
  •  とにかく書く(書かれないうちは思考ではない)。書いたものを識者(社内、クライアント双方)にぶつけるそして揉む

技を磨く

  • 「企業の臨床医」としての基本的な知識、コンサルティング技術を一通り身につける
  •  経営の本質を突いた「必殺技」を身につける
  •  他人と差別化した自分独自の「商品コンセプト」を創出する
  •  学習する技術を身に付け、失わない
  •  新しいことを真先に吸収する

アウトプットへの執着心を持つ

  • アウトプット(マテリアル)を通してマネジメントに語りかける
  •  自分自身の商品価値を表現する
  • メッセージを磨く(クリスタライズする)
  • クライアントの満足が得られるかを自問し続ける
  • 次への進歩のために反省の心を持つ
  • 数10枚のアウトプットが数千万に値すべきことを意識する

大きな視点と問題意識を持つ

  • 目前の問題にとらわれず、一段高い視点から考える
  • 経営者の立場で考える
  • プロジェクト全体の流れ、コンテクスト(文脈)を踏まえた言動をとる
  • ストレートで明快、それでいて他人とは一味違う問題意識を持つ
  • 経営者とプロジェクト以外の話しができるようになる

基本心得実践のヒント(How to do)

ファクトにこだわる

足でかせぐ

– クライアントは自分たちの商売を何十年も仕事としている。我々がちょっと調べた程度の雑誌、新聞、本などの知識は事実の表面的な一部であり、クライアントにとってみればその価値はゼロに等しい。価値のある事実とは「現場感」のある事実であり、それは我々が直接見たり、聞いたりすることによってしか得られない情報である。

– 従って自ら動いてインタビューしたり観察したり、生の資料を見たりする「機動力」を持つことが必要である。

数字で証明する

– 事実の中でも数字は絶大な力を発揮する。数字で証明したメッセージはクライアントにも明快に伝わり、そのメッセージに対して反論の余地がない。逆に言えば、クライアントに見せる数字は常に正確でなければならない。数字のまとめ方、分析のロジックの誤りがあってはならないのである。もし、その正確さが失われた場合には報告書に対する信頼だけでなく、我々コンサルタントに対する信頼を失うことにもなりかねない。我々は常に数字で証明し、「正確に」を数字を扱うことを心掛けなければならない。

– また、数字はその見せ方によって伝わるメッセージは違ってくる。結論を出す前の討論の段階ではなるべくナマの数字を用い、結論の段階でメッセージがよりクリアーに伝わるように数字を分析・加工することを心掛けるべきである。

事実と意見(推測)の違いを認識する

– コンサルティングの仕事のなかで、事実と意見を混同して仕事をしている光景をよく目にする。
「あのことは調べてくれた?」
「あ、あれは○○だと思います」
「あのさ、それはまだ調べてないけど○○だと君が思ったという意味?それとも調べたけどよく覚えてないという意味?それとも調べたけど○○だとははっきりといえないという意味?」

– つい不注意で曖昧な言い方をしただけかもしれないが、コンサルタントであれば特にこういう点では一般の人々より鋭い感覚をもつことは当り前であり、常日頃から事実をベースにした思考や言動を心掛けなければならない。

本質に迫る

表面的な一部の事象、またはそれらを羅列しても根本的理解にはたどりつけない。事実の本質を見抜き、証明することが必要である。

たとえば、表面的な幾つかの問題点をそのまま捉えるのではなく、その背景にある唯一の問題点発生メカニズムを解明する、というような姿勢を持つべきである。

論理(ロジック)で納得させる

まずは、メッセージ設計から

論理的な組立を考える前に、何を主張したいのか(メッセージ)を明確にする必要がある。

言いたいことなしに論理展開することは不可能であり、たとえ、展開したとしても、何を主張したいのかが伝わらず、論理展開が無駄になってしまう。

論理展開(ロジック)の組立てのヒント

構造化/階層化に気を配る

人間の記憶力の限界は一度に5つの程度であると言われている。

つまり、5つ以上の細目があるものを、グルーピングなし羅列しても相手の理解の範囲を越えてしまうことになるため、階層化/構造化する必要がある。

また、レベルの異なるものを並列的に列挙するのも無理がある。記述内容を良く吟味し、その性質/特異性などから論理グループに分ける必要がある。

Whyの部分に重点を置く

無責任な人は別として、人はその習性として、自分の知らない事、背景の分からない事には、内容の如何と問わず、反対するものである。

我々の日頃接する、企業の部長以上クラスの人で、責任感が欠けている人はまず存在しないので、説明する際には、前提条件を執拗に説明することを薦める。

経験的に、Whyの部分に時間を割いた場合と、Howの部分に時間を割いた場合には、最終的に前者のほうが短時間で説得できる傾向がある。

ロジックにモレ/抜け/飛びを作らない

ロジックにおけるモレ/抜け/飛びは、論証の信頼性に影響を与える。

「この検証は、網羅性に欠けているのでは?」などと言われて、本論に入れないようでは、論理展開もなにもないし、仮に、指摘されなくても、ロジックの展開上、無理を生むことになるので、クライアントの理解の妨げとなるのは確実である。

クライアント・サイドから考える

たとえ、論理展開が正しくても、自己中心的な論理展開により、相手の頭がついてこないことが時々見受けられる。

論証する際には、「こうで、こうだから、こうだ」的な一方的な論証は慎み、必ず、相手の価値観に沿った状態で論理展開をすることを心がけることが肝要である。

論理展開が正しく、相手の共感を生む内容で、理解しやすい記述ができていても、話のスタートがずれているがために、クライアントの理解を得られることがある。

メッセージ、論理展開、、内容を考えたら、記述する前に、一旦、立ち止まって考え、相手の理解の進度に応じた、スタートポイントの設定に心がけることが肝要である。

論理展開に関しては、「ミント・ピラミッド」を体得する必要がある

仮説を持つ

仮説と検証方法を書くクセをつける

時間をかけて0から一気に100点の答えを出すことよりも、60点の答え(仮説)をタイムリーに出せることの方がコンサルタントにとって重要である。また、そのようにして、仮説→検証の作業ステップを踏んでいく方がはるかに早く、効率良く結論に行き着けるものである。そこで、まずは、思い付いた考え(仮説の元)を書いてみることから始める。

次に、その考えを深掘りする/裏付けるための作業を洗い出してみる(分析すべきデータ、インタビューすべき相手など)。

仮説としては、大きな方向性が誤っていなければ十分なのだから(「東南東へ2m進むべき」よりも「西へ行くな」)、最初のうちは思い切って仮説を書いてみることである。

仮説の誤りを修正することに逡巡しない

仮説はあくまで仮説、検証/反証することにより始めて結論へと深まっていく。従って、仮説を「思い込み」にしてしまってゴリ押しするようなことになっては本末転倒である。ファクト、データに基づき、”謙虚に”仮説を反証していかなければならない。

仮説の部分と検証済みの結論を混同しない

-これまで立てた仮説の内、どこまでがProvenであり、どこからはまだ仮説なのかは明確にしておくことが実践の場では重要である。特に、他人に伝える際にはこの2つを明確に分別しておかなければならない。

ベストプラクティスを参考にする

仮説を構築する際に参考にする情報の1つにベストプラクティスがある。

この場合、ベストプラクティスの表面的事象ではなく、その背景にある考え方/コンセプトから応用することが特に重要となる。(形だけの模倣は異なる状況にある企業に対し本質的な解にはなり難い)

他業界からヒントを得ようとしてみる

その業界の常識は、他業界の非常識であることも多い。他業界にも広く目を向け、応用できるコンセプトはないかを探してみるのも仮説を立てる際の1つの手である。

経験者に聞いてみる

仮説作りのスピードとその正確度合いは、突き詰めて言えば「経験」の関数とも言える。しかし、1人の人間の経験できるケースや、ましてや若いコンサルタントにとっての経験は限られている。従って、経験者/識者に聞いてみるというのが、実は仮説作りに1番有効であるかもしれない。

但し、その際に、答えそのものを漫然と求めるのではなく、何らかのヒントを会話の中から鋭く感じ取り自身で仮説に結び付けるためのインスピレーション感覚を持っておくよう意識していないと、自らに力は付いていかない。

スピードが命

”Quick & Dirty”

事実からメッセージを素早く抽出するテクニックに”Quick(素早く) & Dirty(概要を掴む)”というテクニックがある。これはコンサルタントの基本動作の一つであり、スピードとクオリティーを高める重要なテクニックである。

このテクニックの意味は、100枚の資料を最初からExcelなどの表計算ソフトにすべて入力して全てを精緻に分析するのではなく、2~3枚の資料を素早く分析し全体の概要を掴むという意味である。もし、最初から100枚全てを3日も分析して何もメッセージが出てこなかったら手遅れなのである。

素早く必要な量を分析して概要(メッセージ)が掴めれば、その後に証明するのに十分な量を分析すればよい。このテクニックを身に付けることができればコンサルタントとしての生産性も向上する。

スピードは時にクオリティにつながる

初心者はスピードと品質にトレードオフの関係が存在すると固く信じ、少しでも時間をかけて書こうとする。ところが実際には早く書いて、識者にぶつけ、そしてもんだほうが結果的に品質は高まるのである。しょせん人間一人が考えることには限界があり、うまく他力を活用することが、スピードの面でも品質の面でも好結果を生むことになる。

誤解のないように言っておくが、他力を活用するのというのは何も考えずに聞きに行くのではなく、自分のなりの考えを持ち、識者の意見を聞くということである。

とにかく書く

「書かれない間は思考ではない」という言葉がある。

つまり、頭の中で考えていることが整理できていなければ、書くことはできないのである。コンサルタントは書いてナンボの商売であり、書くことをやめたらコンサルタントを実質的にやめているに等しい。

経験があれば一時的には口だけでその場をしのぐこともできるが、やがて通用しなくなる。書くことをやめると考える力は急速に弱まるのである。

 

技を磨く

基本技の覚え方

基本だからといって、簡単だというわけではない。全ての議論の前提になる必須科目という意味で基本なのである。スケールカーブやシェア/収益性マトリクスなどは「周知」なようでその理論的背景は決して易しいものではない。さらに具体的応用の仕方を十分に会得し実務で自在に活用できる人はそんなにいない。まずこの二つからでも先輩に聞き、基本文献を読み、自分なりに完全に納得できるまで研究することを薦めたい。漫然と経営書を読むのではなく、これらの「経営ツール」類から入って、一つ一つバリエーションを増やして行くのも一つの方法である。

コンサルティング業務自体の基本については、まずコンサルティングファームのナレッジキャピタルを最大限活用せねばならない。社内アセットに習熟することはもちろん、先輩にどんな情報が有り、どうすればアクセスできるかを積極的に聞く。自分なりに考えて書いてみて、先輩にどんどん見せる。厳しいことも言われるかも知れないが、所詮仕事の上でのことなのだからメゲたりせずに粘ることである。

必殺技の磨き方

中心になる理論を分かりやすく説明するロジックを考案し、事例をこまめに収集し、それらを紙に書いた資料にして積み重ねていく努力によって必殺技は磨かれる。

これは仕事の必要に応じてその場しのぎであたふたやるだけでは不十分であって、自らテーマを決めて継続的に取り組むことが不可欠である。難しいだけにやっている人はなかなかいない。

独自の「商品コンセプト」を確立する

コンサルタントは結局、人で評価される。自分を差別化された高い値段の付くコンサルタントにしたければ、それなりの「商品開発計画」に基づく積み重ねが必要となる。コンサルティング会社は大道具や小道具の揃った舞台に過ぎず、あなたのための台本は用意してくれない。

自分なりの思いのある人は報われるが、そうでなければなかなか楽しく仕事はできない。プロなのだからこういう「自己管理」すなわち「商品管理」は当然である。愚痴が自分の心に生じたら、サッカー選手や相撲採りの様なプロの世界に自分を引き当てて考えなおしてみることだ。

学習する

理解し、批判し、表現することによって人は学習する。何かの課題に直面したら(クライアントの引合い、宿題など)、関連文献を読み、有識者に話しを聞いてまず該当テーマに関する最新の論考を徹底的に「理解」する。

次に自分なりの視点からそれらの論考に対して良い点、不十分な点を「批判」する。そして、プロポーザルなり、報告書なりの形に消化して「表現」し発信する。漫然と仕事をしていても学習には全然ならないのである。

新しいことを真っ先に吸収する

新しい経営手法や評論、情報技術革新などに関して、必ずしも流行を追いかける必要はないが、最新の情報を保持した上で自分の見解を持ち、それを発表していくことは重要である。

新しいことは真っ先に頭から飛び込むのが一番楽で、後追いになるほど苦痛となる。新しさに苦痛を感じれば、コンサルタントとして赤信号である。

アウトプットへの執着心を持つ

良いアウトプットを見る/盗む

人が唸るような良いアウトプットを限られた時間内に作成するのは至難の技である。また、良いアウトプットの作成は経験に依存している部分も多い。したがって、品質の高いものを作成するためには、普段からの鍛練が必要となる。

鍛練方法の一つとして、経験者(パートナー/マネージャー)が作成したマテリアルを見て、盗むことも効率的である。

但し、この際には、以下の2点を深く認識する必要がある。
1)他のクライアントに提出したものを使用することはできない
2)単なる猿真似は、応用が効かず、自分の血や肉にならない
(事の本質を見極め、自分の言葉で説明が出来るレベルにまで理解を深める)

「考え方を考える」

アウトプットへの執着心は考えることから始まる。

考えることなしに、そこはかとなく書き綴っても、時間を浪費するだけである。では、まず最初に何を考えれば良いのだろうか?答えは、いかにして解決するのかの“考え方”すなわち、“アプローチ”を考えるのである。

考え方が出来上がれば、時間的なロスを最小限に抑えて、抜けモレのない最低限の線は確保できるし、考え方に沿って説明することも容易になる。

ただしクライアントが興味があるのは考え方ではなくあくまでそのアウトプットである。

内容の昇華を目指す

アプローチ方法に誤りがなければ、投資時間に比例しただけの内容が得られる。したがって、電車の中、風呂の中、ところ構わず考える。但し、ここで考えるべき内容は「量」ではなく「質」である。

自分が真に伝えたいことは何なのか、「真実」を追及して、一つの独創的な考え方の体系を構築するまで昇華させる。そしてメッセージに磨きをかけ、一つの言葉がクライアントの心を打つレベルにまで高める。言葉を大切にし、言葉の意味にあいまいさを残してはならない。

客観的な推敲を心がける

– 自分である程度、納得がいくアウトプットを作成したら、クライアントの視点にたって内容を検討し、その時点で創出できる最高のものになるまで、推敲する。その視点としては、以下のようなものがある。自分自身で悩んでいるよりは、経験者の意見を取り入れた方が時間的にも内容的にも効率的な場合が多々あるので、時間との兼ね合いを考えながら実施する事に留意してほしい。

  • 「クライアントの満足が得られるか?」
  • 「自分自身の商品価値を下げてはいないか?」
  •  「この内容が、数千万に値するものかどうか?」

次回に向け、今回の反省を行う

たとえ今回のプレゼンテーションが、全体的に上々の出来であっても、個々の詳細(図表レベル)までが、完璧であることなど有り得ない。

今回の反省が次回の成功を生むのであり、アウトプットの品質は、一朝一夕に進歩するものではないから、必ず反省点を見つけて、次回へつなげる努力を惜しまないことが重要である。

大きな視点と問題意識を持つ

常に市場特性、事業特性、競合優位性を念頭に置く

経営者はいつも「これはどんな市場だろうか」「これはそもそも儲かるビジネスだろうか」「どうすれば自分の会社が儲かるだろうか」と考えている。順に市場特性、事業特性、競合優位性である。コンサルタントとしては、まずこれらの視点、問題意識が仕事をやっていても昇進をしていても、何よりも念頭に置かれ、発想の出発点となり第二の本能とすることが重要である。

市場特性把握のポイントは、どんな顧客がどれだけいて、どんなニーズを持ち、どんな買い方をして、何がいくらでどれだけ売れるのか、そし競合は誰で、何をどこにどんな風に売っているか、といったことが手にとるように分かることである。

事業特性把握のポイントは、収益性を決める最大の要因は何か(何の関数によって収益性が決まるのか)、それはどうしてか、がロジカルに説明できることである。

競合優位性のポイントは、競合よりも高く売る、あるいは安く作る(仕入れる)にはどうすればよいかが、競合と顧客の都合を冷静に評価した上で、自社の強みを絞りこんで現実的に語れる(「こういうわけでこの仕組みは儲かるのです」)ことである。

企業変革のトータルな流れを念頭に置く

プロジェクトのテーマが何であれ、顧客企業のEnterprise Transformationのお手伝いをしていることに違いはない。ETフレームワークを良く理解して、常に大きな変革の流れの中でのプロジェクトの位置付け、自分の作業の位置付けを理解していることが必要である。

問題意識の持ち方

「このプロジェクトは(この作業は)どんな問いに答えを出さねばならないか」を自問自答し言葉に書き表わして作業する。答えに少しでも納得できない部分があれば、それが新たな問いとなる。

完全に納得し、理解できるまで問いの分析と解答を繰り返すことによって、プロジェクト全体の問いに最終的に答えることができる。それを聞いたクライアントは心置きなく行動に移れる、という様でなければならない。(「ミント・ピラミッド」参照)

こうした問いの切り口に、常識ではなかなか気付かないところがあればこそ、コンサルタントの存在意識がある。「答えられるべき問い」をえぐりだして提出することは大事な仕事である。

見識を持つ

まず、日常生活に於いて、何かやろうとする気迫、活力を持つ、すなわち元気であるように心がける。その元気が「人間は、企業は、仕事はこうあるべき」という理想を生む。

理想を持つとその理想に照らして現実を見る。そこから反省や批判がでてくる。これが「見識」である。

同じことをいっていても、それが他人の受け売りやその場しのぎの言動か、上記のような意味での、その人ならではのこの見識に裏付けられたものかでクライアントに与える印象は天と地ほども違う。見識なくしてクライアントの信頼なし。これは鉄則中の鉄則である。

最後に

長文になってしまいましたが、「コンサルタントの心得」についてまとめてみました。

クライアントのために常に考え続け、アウトプットし続ける仕事である以上、心得ることが多々ありますが、いずれもクライアントファーストという理念とプロフェッショナル意識からなす所業です。

コンサルタントという言葉は華やかに聞こえるかもしれませんが、

現状に満足せず、自己修練を重ね続ける「泥臭い」仕事がコンサルタントです。

泥臭い仕事を続け、努力が結晶のように結びついて、クライアントに「ありがとう」と言ってもらえることにやりがいを見つける、終わりのない仕事。

そんな世界で生きていくことにプライドを持って日々鍛錬してみませんか?

何か質問があれば、Twitter(@vvvick666)の質問箱まで。

 

 

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